HIGHTIDE STOREを訪ねる

HIGHTIDE STOREを訪ねる

2025年9月 ロサンゼルスのダウンタウンに位置する商業施設「ROW DTLA」。

その一角にあるHIGHTIDE STOREを訪ねると、そこは日本の文房具が持つ魅力を世界に向けて雄弁に物語る空間だった。
店内は平日の昼間にもかかわらず、現地の人々でにぎわい、文房具を手に取りながら熱心に眺め、スタッフに質問を投げかける姿があちこちで見られた。

ここでは日本の文房具が“珍しい輸入品”ではなく、日常を豊かにする道具として確かに受け入れられていることを実感する。

 

HIGHTIDE STOREの「ニューレトロ」は日本独自の世界観が色濃く表現され、どこか懐かしく、それでいて新しい。
パッケージやプロダクトには、日本語の文字がそのまま使われており、現地の人々は意味を完全に理解していなくとも、その造形やリズムを「デザイン」として楽しんでいる。日本語そのものが美しいグラフィックとして機能している光景は、日本文化が自然な形で海外に溶け込んでいる証だろう。

棚に並ぶ文房具を手に取る人々の表情は真剣そのものだ。ペンの書き心地を確かめ、ノートの紙質を指先で感じ、細部の作りを確かめる。
その姿から、日本の文房具が持つ完成度の高さが、言葉を超えて伝わっていることが分かる。

機能性、耐久性、使いやすさ。日本で長年磨かれてきた価値観が、ここロサンゼルスでも確かに評価されている。

 

中でも特に人気を集めていたのがトラベラーズノートだ。

革のカバーとシンプルな構造は、使う人の人生に寄り添い、時間とともに表情を変えていく。
現地の人々は「自分だけの一冊」を作ることに強い魅力を感じているようで、リフィルを組み合わせながら楽しそうに選ぶ姿が印象的だった。これは単なる文房具ではなく、ライフスタイルそのものを提案する日本的な発想の象徴と言える。

 

HIGHTIDE STOREは、日本の文房具が世界で支持される理由を端的に示している。

それは派手さではなく、丁寧さ。効率だけでなく、使う人への思いやり。ロサンゼルスの地で、現地の人々に囲まれながら、日本の文房具が静かに、しかし確かな存在感を放っている光景は、まさに世界に誇るべき文化の姿だった。